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日本経済にとって魅力的なアフリカ地域経済とは?

国の経済を支えるのは、自国の企業利益を常に高い位置で維持するための経済的な繁栄が不可欠になります。

しかし、その高い位置を常に維持するためには日頃から国や企業が世界の流れというものを読みきることが大事になります。

今日は好景気であっても明日にはどうなるか分からないのが現代の世界経済です。

その世界の流れを読みきることで得られるものが大きなビジネスチャンスとなり、そのような状況の中でも新しいものを生み出すことによって高い位置での経済状態を維持できると言えます。

そうした中で、最後のフロンティアと言われるアフリカ地域経済が注目されつつあります。

 チャイナリスク!

これまでに日本の企業でビジネスチャンスとして利用していたのが中国です。

中国は現在では世界の工場と言われ、世界でも圧倒的な人口の多さによる人件費の安さを誇っています。さらには政治が中国共産党の一党独裁制の社会主義共和国体制であるため、政策によって人民元や株価をコントロールしています。

そのため、世界中の有名企業がこぞって中国で商品を製造し世界中に流通させています。また、その恩恵を受けた中国経済が急速に成長したことにより、世界第2位の経済大国となりました。

そうした世界の流れの中で、先進国日本ではなく中国で起業することも世界の流れとなっていきました。

日本もその恩恵に長年あやかっていましたが、成長著しい中国の人件費の高騰と一党独裁による弊害も後を絶ちませんでした。さらに全ての製造を中国企業に委託していたことが災いし、コピー商品の横行や中国製食品の賞味期限切れ・食品中毒問題などが表面化していきました。

その結果、チャイナリスクとして中国経済の減速や中国企業に翻弄されていた日本企業の工場撤退などが起こったのです。もちろん現在でもチャイナリスクを承知の上で中国経済に頼ってはいるのですが、その頼ったままではいざ中国経済に大きな支障が起こったときにその損失も計り知れないものになってしまいます。

中国大陸の次はアフリカ大陸へ!日本のビジネスチャンス

そこで近年では中国のビジネスチャンスをある程度継続しつつ、仮に中国経済に支障が起こったときの損失の分散を考えて日本企業の中でも別の方法を模索する動きが多くなってきていました。

そこで、リスク分散を模索する中で、近年新しい日本のビジネスチャンスとして考えられているのが、アフリカ大陸の東に位置する東南部アフリカ地域の国々です。

なぜ東南部アフリカの国々が新しいビジネスチャンスになろうとしているのかというと、日本企業の間でここ数年、途上国として高い経済成長率を維持しているアフリカ諸国に対する関心が高まっているからです。

近年アフリカでは、豊富な天然資源とインフラ投資を拡大することで、個人消費が順調に伸びてきています。その中でもマサイ族やサファリとして有名なケニアですが、この国の若者は「チーター世代」と呼ばれ日本や先進国に留学してきた経験を持っており、スマートフォンを巧みに操り最新のビジネススタイルを積極的に取り入れています。

今はまだ心もとないですが長い目で見れば成長できる可能性が秘められています。そのような国々に投資をする事は、日本が抱えている様々な問題、低い経済成長・人口の減少・増大する債務残高・企業競争力の低下など先の見えない状況を打開する可能性に繋がると言えるでしょう。

現在アフリカには、約500社ほどの日本企業が事業を展開しており、資源関係の大手商社や自動車製造業、飲食などのサービス業と多種多様な産業に投資がなされています。

そうした中、中国やインドなどの巨大市場と並ぶ可能性があるアフリカ大陸に早いうちに進出することは、これからの日本や日本企業の経済的な繁栄のためにも欠かせない成長戦略になることは間違いないのではないでしょうか。

日本企業による対アフリカ投資残高は過去最高

1963年設立のアフリカ統一機構(OAU)に始まり、2002年には発展改組してアフリカ連合(AU)が発足しました。アフリカ大陸全土の政治・経済の統合を目標として、統一通貨「アフロ」の導入とアフリカ経済共同体(AEC)の創設を目指しており、将来的にアフリカ地域を統一した国家・アフリカ合衆国を創る事を目標にしています。

現在、アフリカ全土で13の地域共同体がありますが、アフリカ連合が承認しているのは8つの地域経済共同体です。それら地域共同体の中で、関税・貿易制限の撤廃や規則の統一などにより、近年では10年間で約4倍にも増えています。

また、日本企業による対アフリカ投資残高は2013年末で、過去最高の1兆2,726億円となっており、その中でも注目できるのが「東アフリカ共同体(CAE)」と「東南部アフリカ市場共同体(COMESA)」です。

原油や天然ガスの輸出が約8割~9割を占めているナイジェリア、南アフリカ、アンゴラは、資源価格の低迷により経済成長を押し下げていますが、東・東南部アフリカのケニア・タンザニアは産業構造の多角化が加速しているため、先進国に近い輸出品目の構成に分散化しつつあります。

さらにケニア・タンザニア・ウガンダなど6ヵ国が加盟している東アフリカ共同体(CAE)は、今後10年以内に関税・貿易の共通化などによる通貨同盟を設立し、それにより海外からの投資の呼び水になるとの見方が多くなっています。

東アフリカ共同体(CAE)

1970年代に創設されたが、1977年~1978年頃にケニア、タンザニア、ウガンダによる主導権争いなどで完全に消滅した。その後2001年に再結成られる。ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、2016年3月に南スーダンが加盟。本部はタンザニアのアルシャにあり、加盟国は6か国。

加盟6か国統計データ(2014年)
• 人口:         1億5662万人
• GDP:         1474.2億米ドル
• GDP成長率(平均):    12.03%
• 一人当たりGDP(平均):  941米ドル

東南部アフリカ市場共同体(COMESA)

アフリカ広域自由貿易協定の中の1つで、1981年から存在していた特恵貿易地域の替わりとして1994年に創設された自由貿易協定。ブルンジ、ジプチ、エリトリア、エチオピア、エジプト、リビア、スーダン、コモロ、マダガスカル、モーリシャス、セーシェル、ケニア、マラウィ、ルワンダ、ウガンダ、スワジランド、ザンビア,ジンバブエ、コンゴ民主共和国。本部はザンビアのルサカにあり、19か国が加盟。

加盟19か国統計データ(2014年)
• 人口:          4億9244万人
• GDP:          6,665.6億米ドル
• GDP成長率(平均):     5.93%
• 一人当たりGDP(平均):   1,354米ドル

アフリカ地域の治安情勢に対応する地域経済共同体

今までのアフリカ諸国全体のGDP(国内総生産)は低い状態でしたが、その原因と言われているのが長年の内戦状態が続いてきたことによる治安の悪化が問題にあったためです。もちろんアフリカの内陸部のごく一部地域ではいまだ内戦状態が続いていますが、アフリカの海側に位置する国々は状況が変わってきています。

特に東南部アフリカの場合は、ヨーロッパからの輸出や輸入をする際の海路(スエズ運河)のルートに面しており、この部分の治安が悪ければ世界の流通に支障をきたすことになってしまいます。実際に1990年代に起こったソマリア内戦の影響により、周辺地域の治安が悪化するとソマリア沖の海賊と呼ばれる集団の海賊行為が多く発生してしまいました。

そこで国連を含めたアフリカ連合などの地域経済共同体として、治安維持を目的として活動をしたことによって、現在では東アフリカ一帯の治安は安定しています。

また、すしざんまいの社長は、ソマリア周辺の海域がキハダマグロの絶好の漁場だということを発見して、キハダマグロの流通に必要な設備や漁船の提供、マグロ漁の方法などを海賊に教える事で雇用創出と治安の安定に貢献したと言われています。

持続的な経済成長と貧困の削減はアフリカ大陸の優先課題

最近の東・東南部アフリカ地域では、地域経済共同体などの影響により政治的な混乱や内戦なども落ち着き治安が回復傾向にあります。そうした中、これまでアフリカ大陸に手を出せずにいた世界中の国々がこぞって様々な投資を行うようになりました。

元々アフリカ大陸の海側には海洋資源そして内陸部には鉱石や石油資源などの天然資源が手つかずの状態で大量に埋蔵されていることは分かっていましたが、近年では、アフリカ大陸大地構帯の東南部モザンビーク・ウガンダ・タンザニア周辺で、推定埋蔵量100兆立方フィートを超える大規模なガス田や有望な地質構造が発見されています。

近年アフリカ諸国は、著しい経済発展をしていますが、アフリカの若年層はまだまだ家計を支えるのに十分な賃金を得られていません。それどころか人口の増加による雇用問題が大きな課題になっています。雇用や収入の不安定からくる貧困は、アフリカ社会全体の不安定化につながる要因ともなっています。

そのような状況において、投資をするということはお金を供給することだけでなく、多様な業種業態の技術や知識、ノウハウによる教育と雇用創出につながっていきます。日本企業が積極的にアフリカ諸国に進出することで、雇用が拡大され収入の安定とともに社会や経済が安定を始めます。

現在のアフリカは急成長した東南アジアに似た状況

東・東南部アフリカの地域経済を総括すると、政情の不安定やイスラム過激派組織の影響などがまだ残っています。現在では治安維持や紛争解決を目的とした地域共同体の活動よって治安は回復傾向にあるもののごく一部地域では心もとないのは事実です。

ただこれまで治安や紛争の問題で手つかずだった貴重な天然資源や巨大な経済市場を獲得できるビジネスチャンスがあります。世界第2位の巨大な大陸や2050年頃には約20億人に増加すると言われている人口などがあげられます。

アフリカの貧困層市場(BOP)の発展の手助けとなるインフラの整備や生活必需品など、日本企業の技術やノウハウによって貢献することができれば、アフリカ大陸は日本経済にとって魅力的な土地であることに間違いはないと思います。

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1977年生まれ 宮城県出身 東京在住 調理師 ビジネスを通じて途上国・先進国の課題を解決することを目的に設立された 『MONSOON JAPAN』の一員として活動しています。