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アフリカのスラム街で養鶏ビジネスを始めた17歳の少年「Sirjeff Dennis」

Sirjeff Dennisが、隣に住む女性の生後7ヵ月の赤ちゃんが亡くなるのを目撃した時、彼はまだ5歳だった。

中央アフリカ東部にあるタンザニア連合共和国

首都ダルエスサラームのスラム街に住んでいたその母親は、妊娠期間中もずっとお腹を空かしたままだった。そして、未熟児として生まれてきた彼女の赤ちゃんは生後間もなく亡くなってしまったという。

赤ちゃんの死にとてもショックを受けたデニスは、貧困や飢餓と戦うことを決心する。

アフリカのスラム街で養鶏ビジネスを始めた17歳の少年「Sirjeff Dennis」

17歳になった彼は、コミュニティでも手頃な価格で入手可能な鶏肉と卵を供給するために、養鶏ビジネス「 Jefren Agrifriend Solutions 」(JAS)を始める。そして4年後には、月に2,000羽の鶏を生産するまでに成長。

さらに彼は、Anzisha Prize(若いアフリカ人起業家に与えられる賞)の注目を集め、昨年その12人の決勝進出者のうちの1人に選ばれている。

どのようにして彼は、成長できたのか?

高校を卒業した後、3ヵ月間タンザニアの兵役に参加したデニスは、そこで稼いだ60ドルを元手に50羽のブロイラーチキンを買い、庭に鶏小屋を建てることが出来た。なぜなら、彼は以前に地元の養鶏場で働いていたため様々なことを学んでいたからだ。

「1ヵ月につき約20ドルを渡されました。そして、他の人たちは服や食物と他のものを買っていました。しかし、私はお金を節約していました。」

さらに、デニスはダルエスサラーム大学で科学と石油化学を学びながら養鶏ビジネスに必要な資金を集めていた。近年ガスの埋蔵が発見されていたタンザニアでは、専門技術者を育成するための投資として、食費と生活費のためのローンを借りることが出来る制度があったためそれを上手に利用したのだ。

「養鶏ビジネスに資金を投資できるように、私は朝食、昼食と夕食を通して水とパンだけにしてお金を節約していました。」「私は、たぶん1ヵ月にわずか15ドルだけ、最低限のお金しか使いませんでした。」

そして、養鶏ビジネスへの投資をさらに進め、卵生産のための産卵鶏の仕入れや地元農家へ肥料として使用される鶏糞を売り始めた。また、1週間で約400kgの野菜の生産を開始。最近はトウモロコシと米の生産にも進出していると言う。

そして、昨年には、養鶏ビジネスを拡大するために6エーカーの土地を買うことができたそうだ。

価格競争力を持つ

彼は、コミュニティに供給する仲買人に対して他の同業者よりも約50%も安くチキン・ブロイラーと卵を売ることが出来ているという。

彼がこうすることができた方法の1つに、ケニヤ共和国にある農業研究所から地元で生産することができる飼料の製法を提供してもらったことにある。それによると、養鶏ビジネスにかかる総生産コストの約90%を占めている飼料価格を下げることができたそうだ。

「今までメーカーから買っていた飼料価格の半値でした。そのおかげで私は、生産コストを非常に低くすることができました。そして、鶏肉や卵を他の同業者よりも安い価格で売ることができて、さらに利益も得ることができると分かったんです。」

ビジネスは誰のためにあるのか?

ある夫婦が近づいて来たときに、デニスの最も幸せな瞬間が来た。彼が養鶏ビジネスを始める前には、その夫婦は一年以上も鶏肉を食べられていなかったが、現在では以前より鶏肉を食べることが出来るようになったと言ったのだ。

「自分の親よりも年上の人々に養鶏ビジネスを始めたことに対して感謝されることは、このビジネスを続けていく為の刺激を与えてくれました。それは、私にとってもっとも幸せな瞬間でした。」

失敗から学ぶこと

すべてが順風満帆ではなかった。

デニスが18歳の時、彼が勉強しに行っている間は、養鶏ビジネスを若い従業員に預けなければならなかった。

しかし、その従業員は500羽のヒナドリに薬を買うために用意していたお金を、自分自身で使い込んでしまい、さらにヒナドリを放置してしまったのだ。

デニスが帰る頃には、すべてのヒナドリは死んでいたという。

「とっても苦しい瞬間でした。そして、投資したすべてのお金を失いました。私は、もう一度100羽の鶏から始めなければなりませんでした。」

デニスは、自分が信頼できるチームを創ることがどれくらい重要かについて、今は学んだと言う。

「しかし、同時に、自分のプロジェクトが彼らのものでもあるように感じさせなければなりません。私は、実は多くの給料を与えていませんでした…。次のチームを採用したときには、彼らに家に泊まるための場所を与えて、彼らの食事に対して責任を持ち、適正な給料を支払いました。」

責任は自分自身にある

これが成功の理由だと彼が信じていることのうち1つは、自分の将来は自分自身の手中にあると考えていることだ。

「私は私自身のオーナーです。なので、何か起きてしまったら自分自身に文句を言うしかないのです。私は政府が十分役目を果たしていないとか、貧しい地域出身だからそう暮らすしかない、といった不平を言うのが好きではありません。」

「私が私を決めるのです。自分のすべてを変えられる存在は、私自身なのです。だから、すべてのことは自分の手中にあると思っていて、他の誰にも依存はしません。」

Sirjeff Dennisにとって農業とは?

彼は、職業として農業を考えるように他の若いアフリカ人に勧めている。

それは、ただ収益性の高いビジネスをすることができるからだけではなく、アフリカの食料安全保障の達成や貧困削減などの課題解決のためには重要だと考えているからだ。

「私は、農業というものが教育を受けていない人々のためにあるという考え方を変えたいのです。農業は、誰のためにでもあるのです。」

Sirjeff Dennis Anzisha Fellow 2015 Jefren Agrifriend Solutions Tanzania

参照:http://www.africa.com/17-year-old-started-poultry-business-slums-dar-es-salaam/

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1977年生まれ 宮城県出身 東京在住 調理師 ビジネスを通じて途上国・先進国の課題を解決することを目的に設立された 『MONSOON JAPAN』の一員として活動しています。