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アフリカ最高峰キリマンジャロのお膝元 タンザニア連合共和国

アフリカ最高峰キリマンジャロのお膝元 タンザニア連合共和国

中央アフリカ東部に位置するタンザニア連合共和国は、ケニア・ウガンダ・ルワンダ・ブルンジ・ザンビア・マラウィ・モザンビーク、さらにはタンガニーカ湖対岸のコンゴ民主共和国など8か国と国境が接しています。

国土面積は東部アフリカ諸国最大(94万5,087k㎡)、世界で31番目に大きく日本の約2.5倍もあります。

タンザニアは以前、1961年にイギリスから独立した大陸部タンガニーカ共和国でした。

その後、同じくイギリスから独立した島嶼ザンジバル(ザンジバル島,ペンバ島)との合弁案が進み、1964年4月に連合共和国を発足することになります。そして同10月に国名をタンザニア連合共和国と改めて現在に至っています。

独立当初は、タンザニアの首都はザンジバル島からほど近い東海岸の都市ダルエスサラームでしたが、1973年に首都移転計画が立案されたことにより、1996年2月に国土の中央に位置しているドドマに議事堂などの立法機関が移されることになりました。

そのため、現在の法律上における新首都はドドマですが、多くの首都機能はまだダルエスサラームに残っています。

観光客を魅了する豊かな自然

自然が広がる熱帯地域の国々の中でも、随一とされる豊かな大自然を有するのがタンザニア連合共和国です。

日本の約2.5倍に相当する国土は、東沿岸部でインド洋、南部では世界遺産に登録されているマラウィ湖,西部には最大水深約1471mとアフリカ大陸第1位のタンガニーカ湖、さらに北部にはナイル川の源流アフリカ最大のヴィクトリア湖に囲まれています。

そして、北部にあるヴィクトリア湖の少し東方には、アフリカ最高峰(標高5,895m)のキリマンジャロ山があります。さらに赤道直下にありながら万年雪が残るキリマンジャロは、キリマンジャロ山国立公園として山域全体が世界遺産に登録されています。

タンザニアこそが人類発祥の地

その他にもタンザニアには自然や文化的価値の高い地域が多数存在しており、同国が有する世界遺産は7カ所にのぼります。

1979年に自然遺産として登録されたンゴロンゴロ保全地域ですが、ンゴロンゴロを含む3カ所のクレーターが存在し、数百万年前に形成されたカルデラ内の草原地帯では、東アフリカのサバンナに生息する野生動物のほぼすべてを観察することが出来るほどです。

2010年に拡大認定されて複合遺産となりなしたが、その要因の1つが地域内に位置するオルドヴァイ渓谷です。

オルドヴァイ渓谷は、1900年代から化石人骨や原始的な石器などが次々と発見された重要な遺跡群です。その中でも1964年に発見された200〜250万年前に存在していたホモ・ハビリスの化石は、人類のルーツとなる最古の人属として世界的な大ニュースとなっています。

アフリカは人類発祥の地と呼ばれていますが、タンザニアこそが人類発祥の地だといわれています。

上質な味わいが人気のキリマンジャロ・コーヒー

キリマンジャロといえば、山よりも先にコーヒーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

強い酸味と甘い香りで人気のキリマンジャロ・コーヒーは、キリマンジャロ地域のアルーシャ地方やモシ地方のプランテーションで栽培されたアラビカ種のコーヒー豆のブランドです。

現在、タンザニアでは北部(キリマンジャロ地域)以外にもコーヒー豆の産地が複数存在していますが、一部の無洗式を除く北部産以外のコーヒー豆に対しても、ブランド名として「キリマンジャロ」を名乗ることが許されています。

日本ではより上質な北部産をストレート用として、南部産を缶コーヒー用として輸入することが多いそうです。

ちなみに日本でキリマンジャロと言う地名の認知度が高まったことやキリマンジャロ・コーヒーの輸入が増えたのは、1953年に公開されたヘミングウェイ原作の『キリマンジャロの雪』がきっかけと言われています。

農業や観光業に大きく依存している経済

コーヒー豆はタンザニアが輸出する農作物の約7割を占める主産物ですが、綿花や紅茶・スパイスなどの生産量も多いです。

その他の主な産業では、ヴィクトリア湖で捕獲されるナイルパーチやインド洋での漁業、ダイヤモンドや金などの鉱工業、そしてザンジバル島の観光業などが外貨獲得の柱になっています。

また、経済水準は低いものの、GDP成長率は2000年〜2007年までの年間平均で約6.7%と高い成長率を記録しているため、将来性を見越したうえでのODA(政府開発援助)などが多くあります。

ちなみに2007年,日本がアフリカ諸国の中でもっとも援助した国はタンザニアの7億2,166万ドルで、これは他の地域を含めてもイラクに次いで高い援助額になっています。

しかし、2009年に訪れた世界金融危機によって、農作物の価格急落や観光業が低迷したことで経済の停滞が懸念されてしまいました。この事態を受けた国際通貨基金(IMF)は、タンザニアに対する3億3,926万ドルの特別引き出し権を承認しています。

東アフリカ地域に残る悪しき習慣「アルビノ狩り」

一方で、およそ130もの民族が暮らすタンザニアでは、土着宗教の弊害とも言える忌まわしい迷信によるアルビノ(先天性白皮症)狩りという悪しき習慣が残されています。

アルビノとは、先天的な遺伝子や色素の異常によってメラニン色素の生成機能が損なわれ、肌が白くなる症状で、先天性色素欠乏症、先天性白子症とも呼ばれています。

紫外線などを肌から守るメラニンを合成できないため、皮膚がんの発症のリスクが高いと言われており、現在では根本的な治療法は見つかっていません。

そのアルビノですが、なぜか東アフリカ地域に患者が多く、世界全体では約2万人に1人の確率ですが、東アフリカ地域では約3000人に1人と非常に高くなっていることが分かっています。

東アフリカの魔術師たちは「アルビノの人肉は幸福をもたらす」という迷信のためにアルビノの体の一部を「薬の材料」として高値で取引しています。一説によれば、五体満足のアルビノ(手足4本、耳、舌、鼻、性器が“一式”)が約8万ドルで売買されるそうで、これはタンザニアの平均年収の約180倍の金額になります。

このため、アルビノを狙った誘拐や殺人事件が特にタンザニア中心とした東アフリカ地域全体で多発しており大きな社会問題になっています。

2014年に国連は、6月13日を「国際アルビニズム(白皮症)啓発デー」と定めることで、アルビノに対する暴力や差別偏見の防止のために、現地NGOなどと連携しながら地道な啓発活動に取り組んでいます。

キリマンジャロが見守る7カ所の世界遺産

国土の4分の1が保護区に指定されているタンザニア連合共和国。世界でも有名なセレンゲティ国立公園や巨大なセルー動物保護区など、数多くの国立公園や保護区があり、アフリカ大陸に生息している哺乳動物の約20%の生活を支えていると言われています。

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1977年生まれ 宮城県出身 東京在住 調理師 ビジネスを通じて途上国・先進国の課題を解決することを目的に設立された 『MONSOON JAPAN』の一員として活動しています。