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経済の安定化から今後の成長が期待される国 ウガンダ共和国

経済の安定化から今後の成長が期待されるウガンダ共和国

東部アフリカ地域の赤道直下に位置しており、東部にケニア、南部にタンザニア、南西部にルワンダ、西部にコンゴ民主共和国、北部に南スーダンとの国境に囲まれている内陸国です。

平均標高1220mの高地にあるため、気候は温暖です。特にヴィクトリア湖の周辺は、湖沼性気候のため温度差が少なく、首都カンパラの平均気温は22℃程度と快適です。

日本でもおなじみの白身魚の産地

アフリカ最大の面積を誇るヴィクトリア湖の北西部で接しているのがウガンダ共和国です。

ウガンダ共和国は、内陸国ながらもヴィクトリア湖の水源に恵まれ、首都カンパラも同湖のほとりに位置しています。

世界第3位の湖水面積6万8,800㎢の広さを持つ、アフリカ最大のビクトリア湖は、ケニア、ウガンダ、タンザニアの3カ国に囲まれている約100万年の歴史がある代表的な古代湖です。

かつては、約400種以上の多くの固有種が生息しており、「ダーウィンの箱庭」と呼ばれるほど有名です。

イギリス植民地時代の1954年、湖に生息する淡水魚の乱獲によって漁獲量が激減したため、同湖では外来種の大型淡水魚ナイルパーチが放流されており、ケニアやタンザニアと同様に貴重な輸出品となっています。

また、ナイルパーチはフライ用の「白身魚」として、日本国内でも非常に多く食されています。

ヴィクトリア湖の悲劇

その反面、生命力が強く生態系を脅かすことから、日本の環境省は要注意外来種に認定している魚でもあります。さらに、ヴィクトリア湖でも固有種の激減や絶滅が問題視されています。

本来ビクトリア湖に生息していた魚のほとんどは草食性でしたが、肉食性のナイルパーチを放流したことにより、固有種400種のうち200種まで激減してしまい、生態系は壊滅的な状態になってしまいました。

もともとビクトリア湖の固有種は沿岸の藻類を食べていましたが、固有種が激減したことで、藻類が増えすぎてしまい、湖が酸欠状態になってしまいました。そうしたことで、さらに多くの固有種が絶滅の危機に瀕しています。

開発から取り残された世界最貧国

ウガンダ共和国は、肥沃で豊かな土地や鉱物資源に恵まれており、大きな開発ポテンシャルを持っています。コーヒー豆の産地としても有名で、輸出額が世界全体の2割を占める年もあるほどです。

このほか、2006年には油田が発見され、今後の経済発展に期待が寄せられています。2009年の国際通貨基金(IMF)の報告によれば、世界的な金融危機にも関わらず同国の金融システムは安定しており、経済成長の鈍化は避けられているといいます。

しかし、これまでの政情不安や誤った経済運営により、ウガンダ共和国は世界最貧国として開発から大きく取り残されてきました。さらに現状の経済水準はアフリカ諸国の中でも平均より少し劣る水準といわれています。

ウガンダの経済発展が遅れた理由

1962年10月9日に、ウガンダ共和国はイギリスから独立しましたが、独立以降、長年にわたって内部の混乱が続いていました。

共和制からすぐに社会主義路線がとられ、クーデターが起こるたびに新政権が恐怖政治を敷くという悪循環が続いていたのです。

そんな中、1986年に国民抵抗運動(NRM)が首都を制圧し、NRM議長のヨウェリ・ムセベニ政権に突入したことで、事態は好転し始めました。

しかし翌年、ムセベニ政権にとって大きな障害となる反政府勢力が誕生することになります。

ジョゼフ・コニー率いる「神の抵抗軍(LRA)」です。LRAはウガンダの主要民族のひとつであるアチョリ族を中心に構成されており、モーセの十戒に基づく国家建設を掲げていました。

推定兵力は1500人前後と見られ、ウガンダ北部で20年間にわたって戦闘を続けている過激派です。2006年には政府とLRAの停戦協定が結ばれましたが、2008年の包括和平合意の場にジョゼフ・コニーが現れず交渉は物別れ状態となりました。

ムセベニ大統領のラップ選挙

ムセベニの統治後、1996年からは独立後初となる国民直接投票による大統領選(任期5年)が採用されるようになり、3期連続でムセベニが当選しています。

議会は長期にわたってNRMの一党体制となっていましたが、2005年の国民投票によって複数政党の政治活動が認められるようになりました。

2011年2月、4選目となる大統領選がありましたが、ムセベニ大統領のパフォーマンスが注目を集めました。

ある政党集会でリーダー格の若者と会話をした際に、ムセベニが短いラップを披露したのが話題となり、2010年10月に『U Want Another Rap(俺のラップが聴きたいか?)』がリリースされたのです。

発売後,国内のラジオ局やクラブではこのラップが流され、携帯電話の着信メロディーとしても大人気になったということです。

アフリカの真珠

ウガンダ共和国は、ルワンダ、ブルンジなどの内陸国とケニアのモンバサ港を結ぶ北部回廊に位置しており、食料不足に悩む周辺諸国の食料供給地としても機能しています。

もともとはコーヒー豆や綿花、茶の生産、自給用では牛や山羊の飼育とトウモロコシの栽培がおこなわれるなど、さまざまな農作物を生産する豊かな農業国です。

一方、そのほかのアフリカ諸国と同様に、経済成長の裏では、地域全体での貧困削減が課題となっています。特にウガンダ北部地域は、20年以上にわたる反政府勢力との戦闘の結果、9割以上の住民が避難民となっています。

そのため、インフラ整備や社会サービスが大きく立ち後れており、中・南部地域との地域格差問題が生じています。また、過去のアミン政権での暴政と内戦で荒廃していましたが、計画経済と企業の双方を取り入れることで復興を目指しています。

 



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1977年生まれ 宮城県出身 東京在住 調理師 ビジネスを通じて途上国・先進国の課題を解決することを目的に設立された 『MONSOON JAPAN』の一員として活動しています。